面接には必ず聞かれる定番の質問があります。これらの質問には最低限スムーズに答えられるように、あらかじめ回答を用意しておくのが先決です。そこで今回は、面接によく出る質問と、それに対する回答例とポイント、面接官のチェックポイントもあわせてご紹介します。
①自己紹介
質問例
自己紹介をしてください。
これまでの経歴を踏まえて自己紹介をお願いします。
1分程度で自己紹介をお願いします。
面接官はここをチェックしている
「自己紹介」の質問で面接官がみているポイントは、主に以下となります。
求職者の第一印象
求職者の人柄
コミュニケーション能力
簡潔にわかりやすく伝えようとしているか
長く話しすぎていないか
この質問は面接の冒頭で聞かれることが多く、求職者の第一印象を決定づけることはもちろん、その後の雰囲気を左右する大事な役割を持っていますので、笑顔でハキハキと滞りなく話せるようにしておきましょう。
回答例
倉知留太郎と申します。本日は、貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。現在、株式会社XXXにて、営業職として働いております。実績としては、2022年5月から2023年5月まで個人目標を達成し、本年度の年間売上高はXXXX万円を達成したしましたことが挙げられます。今後は、ここまで培ってきた営業力を活かしながらも、より大きなフィールドである法人営業に挑戦したいと考え御社を志望いたしました。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
答えるときのポイント
自己紹介は、時間を指定されなくとも1分程度でおさめるようにしましょう。内容は、現職あるいは前職での成果を踏まえると、短い時間の中で面接官を引きつけることができます。また、最後には応募企業への意気込みを入れておくと、冒頭から熱意を伝えることができ、面接での印象も良くなります。
②志望動機
質問例
なぜ弊社を選んだのか理由を教えてください。
志望動機を教えてください。
面接官はここをチェックしている
「志望動機」の質問で面接官がみているポイントは、主に以下となります。
志望度・熱意
長く働く意思はがあるか
企業や職種について十分に理解できているか
自社の求める人材に合っているか
志望動機は、求職者がこの会社で働けるかどうかを面接官もがジャッジする重要なポイントになります。ですので、求職者も一緒に働いてもらいたいと思ってもらえるような内容にすることが大事です。
回答例
現職では、お客様一人ひとりのニーズに合わせた提案をさせていただくことにやりがいを感じ、それと同時に成果を上げてきました。今度はより大きなフィールドである法人向けの営業に挑戦することで、自分の営業スキルを向上させていきたい、また、企画という新たな領域にもチャレンジしたいと考えております。そのほかにも、会社のミッション・ビジョン、独自のカルチャーに惹かれた点も貴社を志望する理由です。
答えるときのポイント
志望動機には、以下の3つのポイントを入れて話すようにしましょう。
その企業に入社したい理由
入社したらそこでどんな活躍をしたいか
自分の活かせるスキル、経験や知識
「その企業に入社したい理由」では、企業研究で得た情報をもとになぜ自分がその企業でなければいけないのかを熱意を持って伝えることが重要です。そのほかの2つでは、「入社後に活躍できるかどうか」を判断する要素になりますので、それを意識して自分の活かせるスキル、経験や知識を持って今後のビジョンを語れるのがベストです。
また、会社にとってはその人が会社にマッチして長く働いてくれるかどうかもチェックポイントの一つになりますので、入社してどんなことをやりたいのかといった具体的な目標や展望、仕事への意気込みも伝えるようにしてください。いずれも、具体性を持たせて自分ならではのストーリーになるよう工夫しましょう。
③自己PR
質問例
自分の長所と短所を教えてください。
弊社で活かせるあなたのスキルについて教えてください。
弊社に入社したら、どのように貢献できますか?
面接官はここをチェックしている
「自己PR」の質問で面接官がみているポイントは、主に以下となります。
自社で活躍できる人材であるか
一緒に働きたい人材であるか
自社の雰囲気に合致するかどうか
志望動機とあわせて、自己PRも面接官が「この人と一緒に働きたいか」をジャッジするための質問です。ですので、求職者は最大限に自分の魅力をアピールするようにし、必要な人材であると面接官に思わせるようなストーリーを作るようにしましょう。
回答例
・自身の能力をアピールする自己PR
現職では、お客様一人ひとりのニーズに合わせた提案をさせていただくことにやりがいを感じ、それと同時に成果を上げてきました。実際に、2022年5月から、2023年5月まで個人目標を達成し、本年度の年間売上高はXXXX万円となっております。また、キャンペーンの実施や戦略的な計画立案をすることで、担当したとある店舗のXX年度の同製品の売上高を昨対比XX%まで伸ばすことに成功し、店舗のみならず自社の売り上げにも大きく貢献いたしました。
・自身の人柄がよりわかる自己PR
私の強みは提案力とヒアリング力であると考えております。具体的な事例を一つ申し上げますと、私は担当したとある店舗のXX年度の同製品の売上高を昨対比XX%まで伸ばすことに成功した実績があります。その際には、取引先の要望や課題に合わせて、満足度の高い提案をすることでそういった結果に繋げました。質の高い提案をするにあたっては、その都度お客様のヒアリングに重きをおいています。時間をかけて、様々な方向から現状抱える課題を伺うことで、よりニーズにマッチした提案をできるように心がけており、この強みは必ずや貴社の仕事においても役立つと考えております。
答えるときのポイント
「一緒に働きたい」と思わせる自己PRには、以下の3つの要素が不可欠です。
・これまでの経験
・自分が今できること
・会社に今後どのように貢献できるか
まずはこれまでの職歴でどんな経験を得たかを具体的なエピソードを交えて話します。どんな目的で、どんなことをしてきたのかを数字などの根拠を用いることで、企業側にも説得力を持って伝えることができます。その後に話したいのが、自分が今できるスキルについてです。ここは企業側が求職者の能力を測る上で知りたいポイントですので、仕事のスキルはもちろんのこと、「私の強みは、行動力です」といった自分の人柄を表すようなことも入れてみても良いでしょう。最後は、入社後自身がどのようなことを会社に貢献できるかを話します。ここはここまでの経験やスキルを持ってして今後の展望を具体的に、そして熱量を持って話せるのがベストです。あわせて、いずれの項目も先述の通り選考を受ける企業が求める人材や能力、経験を踏まえて話の内容を作ることを忘れないようにしてください。
④転職理由
質問例
転職の理由は何ですか?
今の会社(前職)を辞めようと思ったきっかけはなんですか?
面接官が聞く理由
「転職理由」の質問で面接官がみているポイントは、主に以下となります。
同じ理由でまた退職してしまう可能性はないか
会社と求職者の相性
転職理由が自社に当てはまらないか
転職理由の質問では、求職者の転職の理由を聞いて、その人が自社で長く働けるかどうかを見極める目的があります。転職理由が、自社でも起こり得るようなことであれば、採用してもすぐに離職してしまう可能性もあるため面接官も慎重に見極めていきます。
回答例
これまで営業職として、お客様一人ひとりのニーズに合わせた提案をさせていただくことにやりがいを感じ、それと同時に成果を上げてきました。その上で、今度はより大きなフィールドである法人向けの営業に挑戦したいと考えるようになったことが転職のきっかけにあります。また、自分の営業スキルを向上させていきたいという想いはもちろんのこと、新たに企画という領域にもチャレンジしたいという希望もあり、転職を決意いたしました。
答えるときのポイント
転職理由は本音で話すが故に、場合によっては現職(前職)の悪口のような内容になってしまい、面接官にネガティブなイメージを持たれてしまわないよう注意してください。ネガティブな話は、なるべくポジティブなものに変換して転職理由につなげてみましょう。
⑤逆質問
質問例
何か質問はありますか?
最後に聞きたいことがあればおっしゃってください。
最後に何か一言お願いします。
面接官が聞く理由
逆質問をすることで面接官がみているポイントは、主に以下となります。
自社への興味関心度合い
入社意欲
ここでは、必ず何か質問するようにしてください。というのも、この質問でどのような質問をしてくるかで面接官は、求職者の本気度を見ています。しかしながら、ホームページや求人サイトに書かれている内容を聞くと、かえって事前に確認していないと思われかねないので、それを踏まえた上で質問するようにしましょう。
回答例
今後御社で活躍したいと思っているので質問させていただきたいのですが、御社ではどのような評価制度を設けていらっしゃるのでしょうか?
御社が中途入社の社員に特に期待する点があれば教えてください。
今後、御社として最も注力していく分野、新たに挑戦したい領域があれば教えてください。
答えるときのポイント
まず基本的なところで言うと、「特にありません」と回答することや、上記でも説明しましたがホームページや求人サイトに書かれている内容は質問するとかえって印象が悪くなりますので避けるようにしましょう。また、給与や残業時間などの条件に関することばかり質問するのも、自身がそういったところに最も魅力を感じて応募していると企業側に思わせてしまうので、控えるようにしてください。
以上、面接によく出る質問と、それに対する回答例とポイント、面接官のチェックポイントをご紹介しました。回答を作る上で、面接官がどういう意図でその質問を聞きたいのかという点を踏まえておくと、よりよい内容に仕上げることができるでしょう。ぜひ、上記を参考にして面接に備えてください。